あなたは職場にイヤな人、つまり嫌いな人はいませんか?「いない」と答えることができる方は幸せですが、残念ながら私はそう答えるであろうという人を思い浮かべることはできません。どんなにアットホームな職場であろうと、物理的に区切られ自分の仕事のみに専念しやすい職場であろうと、なぜか必ずイヤな人とはいるものです。本書ではそんな「職場のイヤな人に負けない方法」を紹介いたします。私は二十年近くを派遣・契約社員として多くの職場を渡り歩いてきました。夫が転勤族のため、正社員や長期の職を求めることができないためです。正社員でもない、たかが派遣社員がとなえる負けない方法など「最初から負け組のくせに」と思う方もいるかもしれません。ですが派遣社員ほど「負けない方法」に敏感なものです。非正規という立場を変えることなく、長く仕事を続けたいと思えばなおさらです。職場にイヤな人、嫌いな人がいると会社に行くのが苦痛になります。なるべく顔を合わせたくない、と思うことでしょう。ストレスも溜まります。こちらが避けるとパワハラを受けることもあります。私は「イヤな人」と接するのが嫌で、会社を去っていった方も何人か見てきました。今回のテーマの根本は、「イヤな相手に負けない、でも勝ちすぎない」という信条です。イヤな人に負けたくない、勝ちたいから、と闇雲に相手を論破し、完膚なきまで叩きのめすのが正しい勝ちとは言えないからです。周囲の人たちは恐れおののき、悪の上司からは表面上の謝罪はされても、相当根深い恨みを買います。正義の主人公だったはずのあなたが、気づけば扱いにくい厄介者、と煙たがられる存在になること請け合いです。正義を貫き銀行を救ったはずの半沢直樹は、子会社に出向させられてしまいました。一方で「ハケンの品格」の大前春子は、協調性がないと思われつつも、周囲から厚い信頼を勝ち取り、頼られる存在でした。そうです。あなたは半沢直樹ではなく大前春子を目指すべきなのです。本書では職場のイヤな人に負けないために、イヤな人の分類と対策、そして大前春子に近づくべき手段を述べています。大前春子は女性でしたが、本書は女性のために書いたものではありません。会社の第一線で人間関係に悩みながらも、戦っていかざるを得ない男性サラリーマンにも是非読んでいただきたいと思います。私はイヤな人を好きになろうとする必要はないと思っています。お互いに、持って生まれた性格や、相性があるものですので、努力でどうこうできる問題ではないからです。ですが自分の考え方、仕事のやり方、仕事への姿勢を変えることによってこれ以上嫌いにならない、嫌いなままだけれど、自分にとっては無害な人にする、ということはできるかもしれないのです。イヤな人に負けないことによって、あなたの社会人としての生活が、今より少しでも楽になるようにと、同志である私もどこかの職場から心より応援しております。<本書の内容>はじめに第一章 職場においてイヤな人とは あなたにとってイヤな人とは Aさん記憶喪失?自分の言動を覚えていない Bさん絶滅危惧種のパワハラ権化 Cさんばれていますよ、サボり魔さん Dさん教え方が悪いのか、教わる人が悪いのか よくいる嫌われタイプ第二章 まずは自分を振り返る第三章 感情的になると損ばかり イヤな人は感情的 不機嫌は罪である 感情をコントロールする方法 感情的な相手はバカだと思え第四章 いろいろ使える社内メール第五章 初心にかえる第六章 これだけは社内一、得意分野を作る第七章 撤退するのは恥ではないおわりに