はじめまして。本書を手にしてくださった方に、最初の質問です。「あなたは、自分のビジュアルに自信はありますか?」「あなたは、取引先やスタッフとのコミュニケーションは良好ですか?」「あなたの仕事は順調ですか?」 唐突に失礼しました。私がこんな質問をしたのには理由があります。私は会社経営をはじめる前はタレントやモデルとして仕事をしていました。そのせいか。多くの方から私は「自分のビジュアルに自信がある人」「芸能界を渡ってきた高いコミュニケーション能力のある人」と思われています。ところが、本当の私はまったく逆でした。自分の見た目には自信がなく、友人と話をしていても「私のことを変だと思われてないかな」「こんな会話をして相手はわかってくれているかな?」と自分の姿や振る舞いを気にしてばかり…。仕事に対しても同様で、タレント時代も経営者となってからも、自分の仕事ぶりに自信が持てず、明日、仕事があるかどうか不安で仕方ありませんでした。しかし、今は違います。多くの友人に恵まれ、自分らしさを見つけ、仕事も継続していける自信がつきました。それはなぜだと思いますか? 答えは「今までの私は何も意識していなかった」と気付いたからです。自分自身の容姿や性格、考え方など、すべては持って生まれたものだから、「直すことはできない」「ダメでも仕方ない」と思っていました。性格がいい人は、性格がいい人として生まれてきた。私はこんな性格に生まれてきたんだから変えようがない、と、そんな風に考えていたんです。仕事も同じです。大学を卒業してからタレント活動をしていましたが、事務所に所属しているとはいえ、基本は個人事業主。にも関わらず「タレントの仕事は発注がなければ仕事はないもの」だ、と常に受け身の状態でした。自分なりにSNSで発信してみたものの、どうすれば仕事に繋がるのかわからず、ただやみくもに投稿しているだけ。仕事があるかどうかは「運」だと思っていました。そんな私が今では、自分自身の考え方・魅せ方、心理学、コーチングなどを学び、現在は会社経営だけにとどまらず、専門学校や大学の講師や企業でのセミナーや研修を請け負うようになりました。会社経営は今年で15年目を迎え、おかげさまでたくさんのご縁に恵まれ、新しい事業にも着手しています。本書では、自分に自信がなかった私が会社を継続させ、さまざまな企業のブランディングをしてきた経験をもとに、ビジネスを成功に導く「ビジュアルブランディング」をお伝えしたいと思います。 個人の外見を魅力的に伝える術だけでなく、会社としての魅せ方またコミュニケーションの取り方など、ビジネスに直接結びつくようにお伝えします。ブランディングは自立すること。自分で考え行動できるようになること。これがすべてではないと思いますが、ひとつの方法と知っておくことで行動し自信につながるのではないかと思います。自信はすぐには身につきません。「気づく→知る→わかる→やってみる→できる→できた→続ける」という行程で人や事業が成長するのだとすれば、最初の〝気づき〟がなければ、自信をつけること難しいでしょう。ビジネスは世の中を幸せにするきっかけだと思います。自分の好きなことで誰かの役に立つ。そして、世の中も良くなる。これほど幸せなことはありません。あなたのビジネスを通して自分も周りもハッピーになりますように。