誰にでも平等に与えられ、普段過ごしているときは全く変化するはずはないが、過ごし方によって縮まったり、伸びたりする。そして気がつくと、有無もいわさずなくなっているもの。時間にはそんな印象がある。平等に、当たり前のように与えられている時間も、有限なのであるがそのことに関してはあまり意識をしていない。まるで、今住んでいる地球が平らであるかのように感じているのと同様、時間の進み方はあまりに遅くて生きている瞬間はそれが永遠のように思えてしまうのである。人は年を取るということや、死ぬという実感がうすれているのだ。そして、ある日突然その事実にぶつかった時、改めて思うのだ。時間も人も永遠に生きることはないことを。 時間は間違いなく有限であり、今の状態が長く続くことはない。それならば、積極的にその有限な時間を効率よく使っていくべきである。限りある人生を受動的に、まわりに流されるままで過ごすのではなく、自分でコントロールしていく。かといって人の都合を全く無視するのではなく、人の都合の上に自分の都合を合わせていく。そして、必要ならば、時間をなんとか捻出しながら、主体的に自分の予定をはめ込んでいくのである。 時間がないという考え方は、貴重な時間を無駄にして、豊かな人生を放棄するようなものだ。時間がないのではなく、無駄を徹底的に排除していけば、それはいくらでも作り出すことが出来る。 自分が本当にやりたいことと、やらなければいけないと思っているが実はそれほど必要でないことをしっかり見極めて、今後の人生を考えることは非常に大事な事である。過去は、心の癒やしやモチベーションにはなるが、終わったことなので振り返ってもあまり意味がない。 この本は、現在と未来を見つめて、自分の人生を楽しく生きるためにいかに時間を攻略するためのヒントをちりばめている。この機会に時間が有限であることを再認識し、後悔しない人生を歩んでいただければと思う。